「生きる力」=知・徳・体のバランスのとれた力

(文部科学省HPより)
手を離すために手をかけるということ


 ここに大きなリンゴの木があったとします。そのリンゴの木の下にいれば、たまに落ちてくるリンゴを拾って食べることができるかもしれません。しかし、その木に登れば新鮮なリンゴを手に入れることができます。

 

 このとき、誰かが用意したハシゴを使って登っていたのでは、ハシゴの高さのリンゴしか手に入れることはできません。自分で木に登る方法を身につけ、自分の手と足で登ることができるのならば、その木の一番てっぺんまでたどり着くことができます。

 

 そうすれば、ハシゴより上にあるもっともおいしいリンゴが手に入るばかりか、その高さからまわりを見渡したときに、近くにもっと大きなリンゴの木があることに気づくこともあるでしょう。

 

 「木に登るためのハシゴを用意してあげるのではなく、自分の力で登れる方法を身につけられるようにする」……これが私たちの目指す教育です。子どもたちが自分で考え、判断し、行動できる自立心を養うことこそ大切なことと考えています。


 このことは、勉強の方法にも当てはまります。「知りたい」「わかりたい」「発信したい」といった気持ちをきっかけに、「まずは自分でやってみよう」といろいろな課題にチャレンジし、失敗もしながら解決に向けて「よく考える」ことが力をつける秘訣です。

 

 「いろいろなことへの挑戦」、「よく考えること」、「試行錯誤」……これらにじっくりと時間をかけることができる……これが6年一貫である中等教育学校の最大の強みです。


 「手を離すために手をかける」……依存型ではなく自立型、習得型ではなく探究型の習慣を身につけ、自分の可能性を最大限に伸ばして、未来のリーダーとして飛躍できる人材を私たちは育てたいと考えています。

 

体験的な活動


 中高一貫の6年間の中では、宿泊を伴う行事や総合的な学習の時間だけでなく、日々の学習などにも体験的な活動を多く取り入れます。その中で少しでも多くの「発見」と「感動」が得られることを望んでいます。「発見」は学習へのモチベーションを高め、「感動」は人が成長するための大きなエネルギーとなります。

 

 子どもたちは、体験的な活動や日々の学校生活をとおしていろいろなことに感動し、生きる喜びを感じることで、人間的に成長していきます。


 また、学びの中に「発見」があるということはとても楽しいものです。与えられた知識の習得だけでなく、観察や実験をとおし、思考をくり返すことで「発見」する喜びを感じてほしいと思います。


 子どもたちの体験的な活動や日々の学校生活をサポートし、学びの中に「発見」と「感動」を見出すことができる教育を目指していきます。

 

豊かな心の育成


 中学生から高校生の6年間は、フランスの思想家ルソーが「第二の誕生」とよんだように、「自我」に目覚め、子どもから大人へ心身ともに成長していく時期です。この時期は、「心の在り方」が、いろいろな面に影響をおよぼす人生の中でも最も重要な時期です。この6年間の中で、自分を見つめ高めるためのいろいろなアプローチを計画的に行います。体験的活動やキャリアプログラムなどを中心に総合的な学習の時間を充実させ、6年間を見通した落ち着いた教育環境の中で豊かな心を育てます。


 また、社会に貢献することの大切さや、いろいろなことに積極的にチャレンジすることの素晴らしさを感じてほしいと思います。そのため、ボランティア活動の計画的な実施や課題研究、国内外の語学研修などを予定しています。


 豊かな心は人とのふれあいの中で育まれます。子どもたちには6年間をとおして、多くの友人と切磋琢磨しながら広い視野と豊かな人間性を培い、一生涯の友情を築きあげてほしいと思います。