校長 久米 麻子
古河中等教育学校のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
本校は2012年の創立以来、「次代のリーダー育成」という使命を胸に歩んでまいりました。社会の変遷とともにリーダーのあり方も変化しますが、私たちが考えるこれからの時代のリーダーとは、より良い社会を、そこに生きる人々のために創造できる人物です。生徒たちには本校での6年間を通して「社会は自分の手で変えていくことができる」という自信と、それを実現するための具体的な力を育んでほしいと願っています。
社会をより良く変革していくために、私たちが重視するのは「共感力」と「行動力」という二つの力です。
「共感」は単なる同情や表面的理解とは異なります。生徒たちには教室という枠を超え、積極的に社会に飛び出し、多様な人々と出会い、心が動かされるような経験をしてほしい。そしてその出会いを通して他者に共感する心を育んでほしいのです。真の共感は「その人のために何かをしたい」という自然な欲求を生み出すはずです。その気持ちを基礎として、自分に何ができるのか、何をすべきなのか、そして何が必要なのかを、自らの頭で深く考え抜く力を養ってほしいと思います。
そして、どんなに素晴らしいアイデアも、行動に移さなければ社会は変わりません。私たちは「行動力」、つまり実際にアクションをおこすことを重視します。生徒たちには失敗を恐れずに積極的に行動し、様々なことに挑戦してほしい。学校は失敗から学び、成長する場所です。失敗しても常に寄り添ってくれる仲間、そして再び立ち上がり挑戦できる環境を学校全体で創り上げて参ります。
「共感」と「行動」は、AIには出来ません。AIには心がなく、真に他者を共感することはできませんし、自らの意思で行動することもありません。AIの時代と言われる今だからこそ、本校の教育を通して、生徒一人ひとりの人間としての力を最大限に引き出したいと考えています。
今年度は総合的な学習・探究の時間を通して、各界の第一線でご活躍されている方々や地域社会に貢献されている方々を講師としてお招きし、生徒たちが広く社会の実情に触れる機会を積極的に設けます。そして講義で得た学びを土台として、実際に現場に足を運び「共感」を育み、地域や社会との関わりを通して主体的に働きかける「行動」へと繋がるようなプログラムを展開していきます。
生徒にとって学校は未知の世界との出会いに胸が躍る場所です。しかしそれと同時に、友人関係や学業に対する悩み、将来への不安など、様々な感情が交錯する場所でもあります。特に思春期は、時に孤独感や無力感に苛まれることもあるかもしれません。我々教職員は、生徒たちの“今”を注意深く見守りながら、同時に一人ひとりの10年後の姿を見ています。この学校で経験するすべての出来事が、10年後、生徒たちが社会を生き抜く上での糧となるよう、全力で支援してまいります。
学校が保護者の皆様、そして地域の皆様との間に強固な信頼関係を築くことによって、初めて子どもたちの成長を真に支えることができると信じています。今後とも、本校の教育活動にご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
令和7年4月